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Posted by ミリタリーブログ at

2016年12月22日

放出バルブの穴の向き


「放出バルブの穴を出口側へ向けると初速がアップする」
というようなお話を、皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
今回はこちらの検証をしていきたいと思います。

前回「つぎは社外バルブをテストする」と予告していましたが、すみません。
先にこちらをはっきりさせておかないと、社外バルブの性能テストも穴の向きで差が出てしまうのではと考え
こちらの検証を優先させました。



まず放出バルブの穴の向きですが、


こちらのパターン(仮にAとしましょう)と






こちらのパターン(B)。
奥まっていて見えにくくなっていますが、穴の向きが違っているのがお分かりいただけると思います。



穴が正面(ガスルート出口側)を向いていないAパターンより
正面を向いているBパターンの方が初速が速くなる・・・というのが今回検証するお話で
現に私もそのように考えていました。

巷のカスタムバルブはこの穴(放出口)が純正より大きく開けられており、
ガスの流量を増やすことで初速をアップさせる・・・
ガスルートの効率化で初速をアップ・・・
ガスの流速を上げる事で初速を・・・
というような謳い文句で販売されています。

純正バルブでも穴の向きを変えることで初速が増減する・・・というのはなんとも合点のいく話です。




今回は検証対象として2機種用意しました。

練習用VカスタムとMEUです。
ちなみに・・・





過去の燃費・初速チェックで使用したこの二つのマガジンのバルブは
ともにAパターンの向きになっていました。
お話の通りなら初速が出にくくなっていたということになりますね。
この穴の向きを変えることでどこまで初速に変化があるでしょうか。





まずはMEUピストルから見ていきましょう。
今回からこちらのマガジンにもマスキングテープを貼りました。
以前と同じバルブの向き(A)のまま、もう一度燃費・初速チェックのやり直しです。
今回は8.6gのガスが充填できました。

測定環境はほぼ同じです。

室温22℃
G&G 0.2gバイオ弾
フジカンパニー HFC134a
適切なホップ状態
約2秒間隔で発射
20発ごとに約2分のインターバル


サクッと結果だけ

8.6gのガスで61発撃てたので、1発平均0.141gのガス消費となります。

マガジンの表面温度変化は以下の通りです。
22.4(1~20発目前)
19.6(21~40発目前)
19.4(41~60発目前)
17.9(61~80発目前)

各20発ごとのガス消費は最後にまとめて。


ここで一つ変更点が有り、マガジンの表面温度を測定するタイミングですが・・・
今までは連続20発の発射直後に計っていたのですが、
今回から連続20発の発射直前に計るようにしました。
以前は発射直後にどれくらいマガジンが冷えるかを知りたかったのですが、
発射直前に計ったほうが何℃の時に初速がいくら出ていたかがわかりやすいので。
はじめからこうしておくべきでしたね・・・。



前回のMEUのテストでは8.1g/61発で平均0.132gのガス消費でしたが、
今回の計測では0.141gと差がでました。
その理由の一つに終盤の作動不良の多発があります。
50発目あたりからスライドの後退量不足による給弾不良が発生し、
一見作動はしているものの弾が出ていない「空撃ち」で多くガスを消費してしまいました。
終盤の作動の出来で燃費という結果に差が出てしまうのが現在の測定方法の問題点の一つですね。

初速自体は前回とほぼ同じ数値でした。




さてここからがメインのバルブ検証になります。

バルブの穴を出口側に向けて・・・





ガスを満タンに。
せめてこのときの充填量はあと0.3g増やして
Aパターンと同じ充填量にしておくべきだったと後悔。



こちらも結果だけ


温度変化は
22.7(1~20発目前)
20.1(21~40発目前)
18.8(41~60発目前)
18.3(61~80発目前)

8.3g/65発で1発平均およそ0.127gのガス消費となりました。



・・・なんとも微妙な結果に・・・。
初速は上がるどころか下がり、燃費は向上するという・・・。
期待していた結果とは真逆のものになりました。




気を取り直して今度は練習用Vカスタムで!


こちらは以前の計測で取れているAパターンの結果




そしてこちらが今回のBパターン


表面温度の変化は
22.3(1~20発目前)
19.3(21~40発目前)
17.6(41~60発目前)
16.8(61~80発目前)
16.1(81~100発目前)
15.4(101~発目前)

15.2g/104発で1発平均およそ0.146gのガス消費になりました。
Aパターンと比べ、初速の微増と僅かな燃費の悪化は確かにありましたが、
劇的な変化とまではいきませんでした。




結果
取り敢えず今回の2機種でのテストでは、マガジンの穴の向きの違いで大きな初速の差は見られませんでした。
・・・しかしこれを結論とはせずに、条件を変えて今後も検証を続けていこうかと思います。



今回の、そしてこれまでのテストの20発間のガス消費量ですが・・・

ご覧のとおり、最初の1~20発と21~40発でガスの消費が多い結果になっています。
これまでのテストではまだ起きていませんが、
ガスを満タンまで入れて撃つと気化スペース不足で液体のままのガスが出てしまうアレが
見えない程度で発生しているんでしょうか。

表で見るとガスの残量が減るとともにガスの消費量が減っているように受け取れますが、
マガジンの温度が下がるとガスの消費量が減ると受け取ることも出来ます。
ここも現在の測定手法の問題点の一つですね。
ガスの残量を一定にしてマガジンの温度を変えたり、
逆にマガジンの温度を一定にしてガスの残量を変えたりしてデータを取っていきたいですね。

ガスガンは性能が捉えにくいので、これからもあれこれ実験していきたいと思っています。
興味がございましたらお付き合い下さい。



  

Posted by カイデックス・アウトフィッターズ at 23:00Comments(0)燃費・初速チェックマルイMEUピストルマルイM&P