2017年01月26日
洋書を読む その1
今回は趣向を変えて洋書について書いてみようと思います。
といっても書評のような大層なことではなく、
個人的に興味を惹かれた内容などをご紹介できればと思います。
今回の本ですがTom Givens著のFighting Smarter: A Practical Guide for Surviving Violent Confrontationsです。
銃器を使用したセルフディフェンスの教本ですね。
著者は米国の射撃スクール「 Rangemaster」のオーナー、そしてメインインストラクターをされてらっしゃる方で、
海外の銃器サイトなどをネットサーフィンしていると度々その名前や記事を目にします。
そして著者の名前と共によく引き合いに出されるのが、Rangemaster受講者の「戦績」です。
過去20年において著者の生徒のうち65名が暴力事件に巻き込まれ、そのうち62名が銃撃戦で勝利しましたが、
3名は不幸にも事件の際に武装していなかったため殺害されてしまったそうです。
しかし、実質的に銃器携帯者の勝率は100%ということになります。
また著者は自身の生徒が巻き込まれた事件を細かく調査し、発砲数や命中率、交戦距離等も記録しており、
生徒の発砲の命中率はなんと95%にも登るそうです。
米法執行官のそれは20%前後だというのはよく目にしますが、それを踏まえると信じ難いような数字です。
「良い射撃スクールを選びたいならインストラクターの教え子達をよく見るべきだ」という箴言があるそうですが
説得力を感じる言葉です。
色々と読み応えのある本ですが、今回取り上げたいのは「民間人の銃撃戦」です。
米国において、民間人が巻き込まれる銃撃戦はどれほどの距離で、また何発ほど撃つものなのでしょうか。
「FBIの統計で銃撃戦の平均距離は○m前後云々」というのを聞いたことがある人もいると思いますが、
著者はこれを民間人の銃撃戦の参考とすることに対し問題点を挙げています。
まず一つ目に、そのFBIの統計はLEOKAに基いており、これは殉職された(戦いに敗れた)法執行官のデータであるということ。
ふたつ目に、法執行官が巻き込まれる銃撃戦は民間人のそれとは状況が異なるものであるということです。
では民間人の銃撃戦は何を参考とすればよいのか、ということになりますが
著者はFBIやDEAの捜査官の銃撃戦データ、そして自身の生徒達が巻き込まれた事件のデータを参考とすることを勧めています。
FBIやDEAの捜査官は一般的な法執行官とは違いパトロール任務等をせず、また基本的にコンシールドキャリーで職務に当たるため
民間人が巻き込まれる銃撃戦と状況が似通うそうです。
そしてそれらの銃撃戦のデータによると交戦距離は・・・
・FBI 6~10フィート(約1.8~3m)の距離が全体の92%
・DEA 平均14.6フィート(約4.5m)
・Rangemaster 3~5ヤード(約2.7~4.5m)の距離が全体の86%
また平均発砲数では
・FBI 3.2発
・DEA 5発
・Rangemaster 3.8発
となるそうです。
著者はこの交戦距離を車(セダン)一台分と例えており、この距離での射撃訓練に重点を置くことが重要であると説いています。(車で例えられるとイメージしやすいですね)
また発砲数ですが、意外にも著者の生徒の中で銃撃戦時にリロードをした生徒は一人もおらず、
弾切れまで撃った生徒も3名だけだったようです。
米国ではリロード訓練の優先度で議論があるようですが、
統計上リロードが稀なのであれば、優先度を下げるのは一応理にかなった考えではあります。
(これは携帯する銃の装弾数で優先度が変わるのでしょうけど)
日本で生活している限り全く関係がない情報ではありますが(笑)、読んでみるとなかなか発見があり、面白いです。
「FBI捜査官は基本的にコンシールドキャリーしかしない」というのは、知っているようで知りませんでした。
言われてみるとたしかに、ドラマや映画で目にするFBI捜査官達はスーツ姿にショルダーホルスターで拳銃を吊ってるようなイメージがあります(笑)
更新されたFBIの射撃能力テストが、全ての項目でコンシールドキャリーからのドローを要求しているのもこのためだったんですね。
他にも民間人の銃器使用を念頭に置いた内容が広く抑えられていて、
コンシールドキャリー装備やEDC装備に興味がある方にはオススメできる一冊だと思います。
著者の考える「良いコンシールドキャリーホルスターの条件」は私も参考にしてホルスターを製作しています。
機会があればこちらもあとで触れてみようかと思います。
Tom Givens,Fighting Smarter: A Practical Guide for Surviving Violent Confrontations
Publisher: CreateSpace Independent Publishing Platform; 3 edition (January 26, 2015)
ISBN-10: 1506027571
ISBN-13: 978-1506027579
タグ :洋書
2017年01月21日
燃費・初速チェック マルイハイキャパ5.1
今回はマルイ ハイキャパ5.1の燃費・初速を計測していきたいと思います。
発売から10年以上経ちましたが、まだまだ第一線のガスブロハンドガンですね。
もう十二分に性能が証明されているハイキャパですが、
「燃費・初速チェック」のテスト環境ではどれほどの性能を示すでしょうか。
今回使用するハイキャパは2年ほど前に買ったものですが、あまり撃たずに放置していました。
内部はノーマルで、累計発射弾数は1000発に満たない状態です。
いつものようにマガジン表面温度計測のためマスキングテープを貼り、
ガス注入前と後の重さを量ります。
さすがは大型マガジンといったガス容量ですね。
約23gのガスが注入できました。
今回はマガジンが300g超の重量なので、最小単位が0.5g刻みになります。
テスト環境はいつも通りです。
室温22℃
G&G 0.2gバイオBB弾
フジカンパニー HFC134aガス
適切なホップ状態
発射間隔は2秒に1発(約40秒で20発)
弾速測定間のインターバルは約2分、1セット3分で計測しています。
結果です。
素晴らしいですね。
これまでの燃費・初速チェックにおいて最優秀であることは一目瞭然でしょう。
平均初速はこれまでで最も高く、加えて初速の安定性も際立っています。
燃費も優れていて、100発目までの燃費は1発平均およそ0.130gとこれまたトップクラスの数値です。
単純計算すると1チャージ170発以上撃てたことになります。
100発目を撃ち切った際にもしっかりホールドオープンする余力もありました。
未だに広く愛用されているのも頷けます。
ちなみに本当は100発目以降も計測するはずだったのですが、
途中でBB弾が足りないことに気づき、キリの良い所でやめました(笑)
私はBB弾に特にこだわりはなく、大抵のショップに置いてあるマルイバイオかG&Gバイオをいつも買っているのですが
この機会に計測に使用する弾をマルイバイオに変更するか悩みどころです。
BB弾によって初速に変化があることが予想されるので、なるべく今まで通りG&Gバイオを使うのが望ましいですが。
現在手持ちのガスブロハンドガンで一通りの燃費・初速チェックが終わったので
次回は計測方法を少し変えてみようかと考えています。
スタートの状態は変えず、セットの最初の10発を連射したのち
残りの10発の初速を計測して、初速や燃費、マガジンの冷え方などに変化があるかを見てみようかなと。
今までの計測では、マガジンの性能的には遅れをとるはずのMEUで
数値的に他に劣るような結果にはなっていない気がするので、そこのところが気になりますね。
それではまた!
2017年01月20日
米陸軍次期制式採用拳銃
SIG SAUER公式HPより画像転載
https://www.sigsauer.com/store/p320-nitron-full-size.html
せっかくなので時事ネタを書いてみようかと思います。
SIG P320が米陸軍次期制式採用拳銃の座を射止めたようですね。
http://www.military.com/daily-news/2017/01/19/army-picks-sig-sauer-replace-m9-service-pistol.html
気が早いですが、トイガンユーザーからすれば期待するのは製品化でしょう。
個人的にP320(のコンパクト、サブコンパクト)は以前から気になっていて、
「FBIの次期制式採用拳銃選定に勝てばマルイからガスブロとして製品化されやすくなるのではないか」
という淡い期待を抱いていたのですが、それは叶わず・・・
しかし米陸軍の次期制式採用拳銃ともなれば、これはもう製品化されないわけがないのです。・・・・・・されますよね?(笑)
P320には製品化の際に是非再現していただきたい機能がありまして・・・
P320はテイクダウンレバーを取り外すだけで内部機構とグリップモジュール(フレーム)を分離させることができるのです。
昨今のポリマーオートはバックストラップの交換機能が標準的となっていますが
P320の場合はグリップモジュールを丸ごと交換可能にすることで多様なニーズへ対応しようという試みのようです。
この機能によってフレームの色やグリップの太さを使用者の好みに変えられるのは勿論のこと、
「銃身長とサイトレディアス確保のためスライドはフルサイズ、だけどフレームはコンシールド性のためにコンパクトサイズ」
というような異なる「サイズ」の組み合わせも可能になるようです。
これガスブロで出来たら楽しそうですよね!!!!??(同調圧力)
G19のグリップを切り落としてG26用のマガジンを使えるようにする「G26L」なるカスタムがあるようですが
それがフレーム(とマガジン)の交換だけで可能となると夢が広がります。
そこまでしなくとも、フレームの色を変えてみたり、スティップリング加工したフレームを作ってみたりが
気軽にできるようになるだけでも魅力的です。
実銃各社の新型拳銃がグロックライクなストライカー式ポリマーフレームになってきている中で(ベレッタやCZまでも!)
このモジュラー性はエアソフトガン化の際に是非残してほしいひとつの個性だと私は思います。
タグ :雑記
2017年01月16日
検証 空撃ちは燃費が良い?
今回はガスブロを空撃ちしたときの燃費を計っていきたいと思います。
トリガーを引いたとき、チャンバーにBB弾があるかないかの違いは
燃費に影響を与えるのでしょうか。
もし与えるのであればどれほどでしょうか。
感覚的には空撃ちはガス消費が少なそうなイメージがありますが、実際はどうなんでしょうか。
検証にはマルイM&PとMEUを使います。
この二つは何度も計測に使用したのでおおよその燃費がわかっています。
これまでの計測ではM&Pは100発目までの発射で1発平均0.138~0.145gほど
MEUは60発目までの発射で1発平均0.128~0.142gほどのガス消費となっています。
今回の検証ではBB弾を発射しないため、
計測終盤の作動性が落ちた状態で正常な作動(給弾に必要なスライド後退)ができているか判断し難くなってしまいます。
ですので今回は
M&Pは100回、MEUは60回作動させた時点で計測終了とします。
マガジンにフォロアストッパーを噛ませて・・・
フォロアストッパーの重量はだいたい0.6gほどでしょうか。
ここからガスを注入して計測開始です。
計測はいつものワンセット3分です。
BB弾を装填する必要がないので、余った時間でマガジン表面温度をワンセットに2回(発射前と発射後)計測しました。
室温22℃
フジカンパニーHFC134aガス
発射間隔は2秒に1発です
まずはM&Pの結果。
100回の作動で12.2gのガスを消費したので1発平均およそ0.122gのガス消費。
続いてMEUの結果です。
60回の作動で6.0gのガスを消費したので1発平均およそ0.100gのガス消費。
両機種共に、1発あたり0.02gほどガス消費が少ない結果となりました。
単純計算するとM&Pは125回、MEUは78回作動できたことになります。
イメージ的に燃費が良くなりそうな感じはありましたが、こうもはっきりと消費が減るとは思っていませんでした。
空撃ちは実射より燃費が良いということは、
シリンダーバルブが閉じるタイミングが早まっているのでしょうか。
空撃ち時にシリンダーバルブが閉じるタイミングを基準にすると、
チャンバー内にBB弾があるとき、シリンダーバルブが閉じるタイミングはどれほど遅れるのでしょうか。
タイミングの遅れは何によって決まるのでしょうか。
ノズル方向へのガスの流速でしょうか。
そもそもこの燃費の良化はシリンダーバルブの閉鎖タイミングによるものなんでしょうか。
わからないことばかりです(笑)
他社のブローバックエンジンだと結果が違ったりするんでしょうか。
興味はつきません。
そのうち社外製シリンダーバルブの効果もテストしてみたいと思っています。
では!
2017年01月13日
ガスは満タンまで注入するべきか その2
前回に引き続き、今回もガス注入量ごとに初速と燃費を計測していきたいと思います。
前回計測できなかったM&Pに、MEUも加えて再度実験です。
マガジンに貼ってあるこのマスキングテープですが
マガジンの表面処理の違いによる非接触温度計の誤差をなくすことを狙いとしています。
光沢面は計測が難しいらしく、条件をなるべく揃えるためですが・・・おまじないみたいなものです(笑)
前回はワンセット15分のテストでしたが、
今回はワンセット20分と更に時間を伸ばして計測してみました。
室温23℃
G&G 0.2gバイオBB弾
フジカンパニー HFC134aガス
適正ホップ
発射間隔は約2秒
まずはM&Pの結果から。
前回のHK45と同様に、平均初速は2セット目が一番高い結果となりましたが
マガジン表面温度も若干高めだったのでその影響と見ることもできます。
しかし1セット目の平均初速が低めなことや、
最も気化スペースが確保された状態である最終セットの初弾で最高初速が出ているのも
前回と同様です。(この6セット目もマガジン表面温度が高めでしたが・・・)
続いてMEU
20発完遂できた3回のセットのうち、一番平均初速が低かったのが1セット目でした。
この1セット目が一番マガジン表面温度が高い状態だったことを考慮すると、
気化スペースの確保の効果がはっきりと表れたのではないでしょうか。
最高初速はこちらの場合でも最終セットの初弾でした。
これで3機種での計測が終わりましたが、どの機種でも2セット目が
最高初速や平均初速、安定性で好結果を残している印象を受けました。
ガスガンも腹八分目が良いということでしょうか。
しかし、ガスが満タンの状態でも
若干低めの数値ではあるものの終始安定した初速をマークしています。
初速の安定性で言えば満タンも悪く無いのかもしれません。
これまでのテストは2秒毎に1発撃つゆったりした計測ですが
連射した場合はどれほど結果に違いが表れるんでしょうか。
こちらも後で実験してみたいですね。
次回は「空撃ち」したときの燃費を計測してみようかと考えております。
BB弾の発射の有無で、燃費に差は出るのでしょうか。
差が出るのであればどれくらいなのでしょうか。
興味がございましたらお付き合い下さいませ。
タグ :燃費・初速チェック
2017年01月11日
ガスは満タンまで注入するべきか
みなさんもどこかで「ガスは満タンまで入れないほうがいい」というアドバイスを耳にしたことがあるのではないでしょうか。
このアドバイスには「サバゲではハンドガンを使う場面は殆どないからガスが勿体無い」という理由もあるのでしょうが、興味を引くのは
「ガスを満タンまで入れると気化スペースが足りなくなる。ガス注入はほどほどにして気化スペースを残してあげたほうが良い」
というような理由が添えられるときです。
私も同様に考えていて、実際その通りだとは思うのですが、検証されたものを見たことがありません。
ですので今回はガスの注入量の違いによってどういう変化があるか検証していこうと思います。
と言っても、いつも通り燃費と初速を計っていくだけですが・・・
検証方法ですが、
普段ワンセット3分で行っている計測をワンセット15分に変えて行ってみようと思います。
こうすることで弾速測定間のインターバルは14分ほど開くことになり、
この間にマガジン表面温度は室温近くまで戻ります。
室温とマガジン表面温度をほぼ一定に保ち、マガジン内のガスの注入量(残量)だけが違う状況を用意すれば
その影響を調べられるはずです。
まずHK45から検証していきます。
HK45はこれまでの燃費・初速チェックで一番ガス容量が多かった機種で、23g近いガスが充填できました。
これはMEUマガジンの3倍に迫るガス容量です。
これだけガスが注入できるのであれば、ガスの残量が減ってきたときにその分だけ気化スペースが確保されるはず・・・です。
テストの手順はインターバルが長くなったこと以外ほぼいつもと同じです。
インターバルに余裕ができたので、今回はマガジン表面温度をセットごとに二回(発射前と発射後)計測してみました。
室温23℃
G&G 0.2gバイオBB弾
フジカンパニー HFC134aガス
適正ホップ
発射間隔は約2秒
結果です。
実は途中でトラブルが発生しまして・・・
102発目を発射したとき弾速計にBATTERY LOWの文字が!
初弾で2回エラーが発生したのはその前兆だったのでしょう・・・今までの計測では殆どエラーが出ていなかったので油断していました。
M&Pも続けて計測するつもりだったのですが、次回に持ち越しです。
合計100発のデータになりましたが・・・
平均初速が最も高かったのは2セット目で
逆に最も低かったのは5セット目となりました。
これだけ見ると「気化スペースってあんまり関係ないのかな」という気がしますが、
エラーの発生した1発目を平等に切り捨て、2~6発目までの5射の結果だけを見ると・・・
平均初速が高かったのは4セット目と、次いで5セット目になりました。
最高初速では6セット目の1発目が一番高いのも興味深い点です。
こうして見ると気化スペースを確保する利点があるようにも感じられます。
・・・どうやら気化スペースとガスの残量には面倒な(笑)兼ね合いがありそうですね。
HK45は今までの燃費・初速チェックにおいて最もガス消費が多かった機種でもあり、
今回は1発あたり平均0.161gのガス消費でした。
テストの手順が違いますが、以前のHK45での100発発射時のガス消費は1発平均0.165gほどだったので
だいたい同じような数値になりましたね。
燃費の良い機種の場合、気化スペース確保による恩恵をより多く受けられるような気がしますが
どうなんでしょうか。
実際的に言えば、サバゲに電子はかりでも持っていかない限りガス注入量は調節し辛く
そこまでするメリットがあるかと言われるとなさそうな感じですね。
一定の性能を発揮するための目安としてガスを満タンにするのもありですが、
ガスを満タンにした状態で撃つと生ガスを吹きやすく、
生ガスを噴いてしまうと一気にマガジンの温度が下がるのでデメリットにもなりえます。
グロックのマガジンのように
こういうパイプを後付けして、ガスが満タンになる量(ガスが吹き戻すようになるまでの量)を
調節するのが良いのでしょうかね。
ちなみに手持ちのグロック用ノーマルマガジンにも短いアルミ?パイプが同様に被せてあるのですが
「マルイ グロック マガジン 分解」等でググると出てくる画像では、そのパイプが見当たりません。
またグロック22のパーツリストを確認すると、イラスト上では同様の部分が長くなっているように見受けられます。
グロック34のパーツリストでは今までのイラストを流用しているようですが・・・
マルイは度々アップグレードを加えていますがそのうちの一つなのでしょうかね。
一先ず、このテストはまだ1機種1回目に過ぎず、おそらく気温によっても結果が違ってくると思うので
今後も継続して検証していくつもりです。
それではまた!
2017年01月07日
ロングマガジンの実力は
今回はマルイグロック用ロングマガジンの性能を見ていきたいと思います。
一見するとロングマガジンはガスがいっぱい充填できそうですが・・・
昨日の記事でも書いたように、ガス注入バルブ側からパイプが伸びていて
マガジンに充填できるガスの量はノーマルマガジンと比べて大差があるものではありません。
実際に吹き戻すまでガスを入れてみると・・・
約17.0g注入できました。
前回のノーマルマガジンでは約12.8gだったので、その差は4gほどしかありません。
HK45のマガジンが約23gもガスを注入できたのを考えるとかなり控え目なガス容量に思えます。
しかしその分気化スペースは大幅に取れているはずで、
その違いが初速や燃費にどれほどの差をもたらすのか気になるところです。
さっそくテストといきたいですが、その前におさらいです。
測定環境ですが、毎回ほぼ同じで、エアコンで室温を調節し22℃~23℃の間に保っています。
テストは20発ワンセット3分の作業の繰り返しです。
流れを詳しく書きますと・・・
まず空のマガジンの重量を量ります。
↓
ガスを満タン(吹き戻す)まで注入し、再び計量。何g充填されているかを確認します。
↓
マガジンにBB弾を20発装填し、室温に10分ほど放置。
↓
10分後、弾速測定開始20秒前にマガジンの表面温度を測定。
↓
弾速測定開始。ここからワンセットの3分を計っています。
↓
約40秒で20発を撃ち切ります。
↓
ここから約2分のインターバルスタート。
マガジンの重量測定、記録、再装填などなどを行います。
再装填時はマガジンのボトムプレートを持つなどしてマガジンを手で温めないようにしています。
↓
一分ちょっとで再準備完了。しばし待ち時間。
↓
3分経過まで残り20秒の時点でマガジン表面温度測定。
↓
測定後、再び弾速測定開始
↓
以下繰り返し
というような流れになります。
この流れはこれまでのテストでずっと一貫して守っているので条件はほぼ一定に保たれているはずです。
今回の環境はこちらになります。
室温23℃
G&G 0.2gバイオBB弾
フジカンパニーのHFC134aガス
ホップは適切な状態
一発ごとの発射間隔は約2秒
20発の発射ごとに再装填等で約2分のインターバルを設けています。
ではロングマガジンの測定結果・・・の前に、
前回と同じノーマルマガジンで再計測もしてみました。
こちらは一回目(昨日の記事)の結果
こちらは再計測の結果
燃費は一回目約0.142g、二回目約0.147gのガス消費。
初速も殆ど変わりありませんね。
そしてロングマガジンの結果がこちら。
約17.0g/109発で1発平均約0.156gのガス消費。
1~20発目のセットで若干の初速のバラつきが感じられたものの、
総じて初速の大幅アップとなりました。
放出バルブの穴の向きを変えたり、バルブを交換したりでは平均初速で1m/s前後する程度でしたが、
今回の結果はかなりはっきりしたものになりました。
そして何よりテスト中に感じられたのはブローバックの勢いが増したことです。
普段大人しめなブローバックのG17ですが
M&Pのようなスピード感のあるブローバックに変わりました。
ノーマルマガジンのG17では最終弾でホールドオープンに成功したのは2回とも60発目まででしたが
今回のロングマガジンは100発目でもしっかりとホールドオープンしてみせました。
室温23℃、温めなしの状態でこのブローバックの勢いなのですから
真夏にG18Cロングマガジンをフルオートでバラ撒けば、スライドが割れるのも仕方ないという気がします。
かく言う私のG18Cもロングマガジンで遊んだせいかスライド、内部ハンマー共に割れました笑
「スライドが割れる?まあウチのは大丈夫でしょ」なんて根拠なき自信を抱いていたせいでもありますが笑
一つ気になるのが燃費の悪化です。
1発あたりおよそ0.01gの消費増ですが、これはどこに起因するものなんでしょうか。
ロングマガジンということで、気化スペースだけではなく熱容量も変わっているはずなので
どこから影響を受けたものなのか判断しかねます。
今のところ持っているロングマガジンはグロック用だけですが
そのうち1911用やHK45用も購入して性能を確かめてみたいところです。
2017年01月06日
燃費・初速チェック マルイG17編
今回はマルイG17を対象に燃費初速チェックを行っていきたいと思います。
バランスのとれた機種という印象のG17ですが、燃費や初速は如何程のものなのでしょうか。
テストの前に、私のこのG17には一つ留意事項がありまして・・・
カスタムパーツを組んで使用していたG17に、余った純正パーツを寄せ集めて「元に戻した」ものなのです。
一応ノーマルな状態とは言えますが、箱出し状態ではないことをご留意下さい。
まずはガスの注入。
マガジンは新品に近い状態のものです。
空のマガジン重量を量ったところ・・・
300g弱ありました。
この電子はかりは300gまでの重量なら0.1g単位で量ることができるのですが
300g以上は0.5g単位となってしまうので、これまでの計測と条件に差が出てしまいます。
本当はもっと精度の良い上等な電子はかりが欲しいのですが・・・お高いです・・・・・・
およそ12.8gのガスが充填できました。
思いの外充填量が少ない印象ですね。
数値的にはUSPコンパクトとほぼ同等です。
しかし充填量が同等でも気化スペースまで同じとは限らず・・・
例えばマルイグロック用ロングマガジンを分解してみると
このようにガス注入側からパイプが伸びていて
ガス充填量はノーマルマガジンと大差があるわけではないのです。
つまりガス充填量が少ないからといってマガジン内のガスタンク自体が狭いとは限らないんですね。
ロングマガジンの実力や気化スペースの違いが生み出す差も後日検証予定です。
テスト環境はいつも通りです。
今回のG17は「元に戻した」という事情のため、事前に200発ほど慣らし運転しています。
室温22℃
G&G 0.2gバイオBB弾
フジカンパニーのHFC134aガス
ホップは適切な状態
一発ごとの発射間隔は約2秒
20発の発射ごとに再装填等で約2分のインターバルを設けています。
結果
およそ12.8gの充填量で90発撃てたので、1発平均約0.142gのガス消費となりました。
なかなか興味深いと言いますか、これまでの機種とはちょっと違う結果になりましたね。
まず初速ですが、70m/sの大台超えはこれまでの測定(HK45、M&P、USPコンパクト、MEU)で初めてです笑
でも・・・
1~20発目までと21~40発目までの計測結果を見てみると
最高初速と最低初速にそれぞれ6.5m/sほどの開きがあります。
また1~20発目までの平均初速と21~40発目までの平均初速でも3m/sほどの開きがあります。
「最高値と最低値の開き」と「平均初速の開き」がこのように顕著に表れたのは初めてです。
これはグロックのマガジンが冷えやすいということなのか・・・?
しかしマガジン表面温度はこれまでの測定と大きく異なるものではないですし、
むしろテスト後半の数値は「マガジンが冷えにくい」もしくは「インターバル間にマガジンが温まりやすい」というような結果になっています。
いや~よくわかりません笑
「元に戻したG17」ではありますが、とりあえず今回の計測では「初速の落ち込み方は安定しつつも他の機種より顕著」ということになりました。
次回、ロングマガジンの検証時にノーマルマガジンでも再テストをしてみたいと思います。
カイデックスホルスターをヤフオクに出品中です。
宜しければご覧ください。
2017年01月04日
IWB、AIWBホルスターの装着例
皆様、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
今回はIWBホルスターやAIWBホルスターといったコンシールドキャリーホルスターの装着例を簡単にご紹介していきます。
まずはIWBホルスター(インサイドパンツ・ホルスター)から。
こちらは腰の4時の位置(おヘソを12時としたとき)にIWBホルスターを装着した状態です。
4 o'clock carry、behind the hip carryと呼ばれている携帯法ですね。
左利きの方は8時の位置になります。
勿論ぴったり4時(8時)にしなければならないというようなことはなく、
隠しやすさやドロウのしやすさ、装着時の快適さなどに応じて
人によりホルスターの装着位置は変わってきます。
シャツで覆うと・・・
こんな感じです。
しかしいつもキレイに隠せるわけではなく・・・
服のサイズが小さめだったり、身体にピッタリとフィットするような服だと銃の輪郭が浮き上がりやすいです。
このように銃の輪郭が服の上に浮き上がってしまうことを「プリンティング」と言います。
服の身巾や生地の厚み、硬さなどでもプリンティングのしやすさが違ってきますし、
服の色やロゴによってプリンティングの「気づかれやすさ」も変わってくると言われています。
お次はAIWBホルスター(アペンディックスキャリーホルスター)です。
こちらは腰の1時辺りに装着していますが
利き手の左右を問わず、10~2時の間で人によって様々なようです。
シャツで覆った状態。
アペンディックスキャリーもビハインドヒップキャリーと同様に、銃のプリンティングには様々な要因が絡んできます。
射手に関わる要因、銃に関わる要因、服装に関わる要因・・・
これらについてはまたあとで詳しく見ていきましょう。
コンシールドキャリアースタイルでサバゲーがしたい!という方(私の他に一体何人いらっしゃるのでしょうか笑)
の一助となれれば幸いです。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
今回はIWBホルスターやAIWBホルスターといったコンシールドキャリーホルスターの装着例を簡単にご紹介していきます。
まずはIWBホルスター(インサイドパンツ・ホルスター)から。
こちらは腰の4時の位置(おヘソを12時としたとき)にIWBホルスターを装着した状態です。
4 o'clock carry、behind the hip carryと呼ばれている携帯法ですね。
左利きの方は8時の位置になります。
勿論ぴったり4時(8時)にしなければならないというようなことはなく、
隠しやすさやドロウのしやすさ、装着時の快適さなどに応じて
人によりホルスターの装着位置は変わってきます。
シャツで覆うと・・・
こんな感じです。
しかしいつもキレイに隠せるわけではなく・・・
服のサイズが小さめだったり、身体にピッタリとフィットするような服だと銃の輪郭が浮き上がりやすいです。
このように銃の輪郭が服の上に浮き上がってしまうことを「プリンティング」と言います。
服の身巾や生地の厚み、硬さなどでもプリンティングのしやすさが違ってきますし、
服の色やロゴによってプリンティングの「気づかれやすさ」も変わってくると言われています。
お次はAIWBホルスター(アペンディックスキャリーホルスター)です。
こちらは腰の1時辺りに装着していますが
利き手の左右を問わず、10~2時の間で人によって様々なようです。
シャツで覆った状態。
アペンディックスキャリーもビハインドヒップキャリーと同様に、銃のプリンティングには様々な要因が絡んできます。
射手に関わる要因、銃に関わる要因、服装に関わる要因・・・
これらについてはまたあとで詳しく見ていきましょう。
コンシールドキャリアースタイルでサバゲーがしたい!という方(私の他に一体何人いらっしゃるのでしょうか笑)
の一助となれれば幸いです。
タグ :コンシールドキャリー